【不動産・資産税】相当の地代

「相当の地代」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。平成バブルの絶頂時に「相当の地代」を使った相続税対策が流行したのですが、バブル崩壊後、将来の土地の値上がりが見込めなくなったことにより、「相当の地代」を使った相続税対策はあまり聞かなくなってしまいました。

平成バブルの後も、ファンドバブル〜リーマンショック〜足下ではまた不動産価格が大幅に上昇していますが、あくまでも5ー10年スパンでの上下動という状況で、平成バブル当時とは様相が異なり、インフレを伴いながら中長期的に大きい不動産バブルが再来するとは常識的には考えられません。ということは、「相当の地代」による相続税対策はもう役目を終えたということになるのかというと、そうとは言えません。

例えば、一棟収益マンションの土地建物を保有していた父の相続時に、子供に土地を、母に建物を相続した場合を考えてみましょう。父の相続時点でその配偶者である母と子供は同居を前提と考えます(逆に同居を前提としない場合は効果が薄い)。母は建物に加え、配偶者の特例を利用して相続税がかからないギリギリまでの現預金を合わせて相続する形とします。その上で母は相続した建物を第三者(いわゆる賃貸マンションの借主)に賃貸し、子供が相続した土地を借りるための土地賃貸借契約を締結し地代を支払いする形とするのです。但し、土地賃貸借契約を締結時に権利金を子供に対して支払いしないと権利金相当額の贈与だと言われてしまいますので、地代を「相当の地代」である6%の水準に設定します。そうすると毎年多額の現金が地代として母から子供に移転していくこととなり、父の相続時に相続した現金が激減していくこととなり、二次相続対策に非常に有用となります。そんなに多額の現金を地代として母親から受け取ったら子供は所得税の負担が大きくなりそうですが、このケースは母と子供を同一生計としていますので、母の家賃収入は申告の必要がありますが、地代を子供に払う場合には、支払った地代を経費に入れれないかわりに子供の収入にもならないのです。これにより母の不動産所得が極端な赤字となれば、事業とはいえず税務否認されると思われますので注意が必要です。父の相続時に母は無税、その後、母から子供への現金の移動が所得税も贈与税も無税という形となり、現金を確実に子供に移転する有用な方法になり得るのです。

やはり資産を次の代に効率的に承継していく方法として資産としての不動産は非常に有用です。今後、色々なケースをブログに書いてみたいと考えております。

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