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一般的な事業を行う法人や、不動産投資を行う法人は、事業を維持・成長させる目的で金融機関から資金調達を行いますが、貸す立場の金融機関がどの様に取引先を分析しているのかについて、何回かに分けて紹介したいと考えています。

世間でよく、「銀行取引上、赤字にはできないので決算はギリギリ黒字にしている。」という話しを耳にすることがありますが、そんな対応は「経常収支」の分析の前では何の対応にもなっていません。上場企業などにおいては、2期連続営業赤字の状態は「継続企業の前提」(ゴーイングコンサーン)に疑義を抱かれるという意味において会計監査上厳しい状況に陥ることになりますが、中小企業においては経常利益がたとえマイナスであっても多額の減価償却をしていることが原因で、経常収支は大幅にプラスの会社の評価の方が高いのが実情なのです。

また、「うちの会社は自己資本が厚いから大丈夫。」という話しについても、表面上の自己資本と、全ての保有資産を時価評価した場合の時価バランスシート(いわゆる含み益・含み損を加味したバランスシート)や、実態バランスシート(工場などの事業に切り離しできない不動産については時価評価を行わないバランスシート)における自己資本の概念は異なることについての理解がなければ、取引金融機関から自分の会社がどのように見られているか正確に理解することは難しいと考えられます。

詳細については、「金融機関内部格付制度の現状」という別資料にまとめておりますので、ご参照ください。

【不動産】内部格付制度

【不動産】不動産取引におけるCapRateとは

不動産取引におけるCapRateとは

収益不動産の売買マーケットにおいて使われるCapRate(キャップレート)とは、Capitalization Rateを略したものであり、収益還元利回りとも呼ばれている。不動産鑑定評価基準によれば、「還元利回りは、直接還元法の収益価格およびDCF法の復帰価格の算定において、一期間の純収益から対象不動産の価格を求める際に使用される率であり、将来の収益に影響を与える要因の変動予測と予測に伴う不確実性を含むものである」とされている。CapRate(キャップレート)は不動産から生み出されるNOI(純収益)から不動産価格を求める際に用いられる利回りであり、「NOI(純収益)÷キャップレート=不動産価格」として表される。キャップレートは主に立地、物件タイプ、築年数、建物構造、収益が将来継続的に発生するか否かの蓋然性などよってその水準が異なるものであり、一般的には立地でいえば東京が最も低く、物件タイプでいえば比較的キャッシュフローが安定的な住宅が最も低くなっている。オフィスについては、東京など賃貸需給がタイトなエリアでは住宅と大差がない位、低い水準となっているが、東京以外の地域(大阪など)では、本社機能の東京一極集中の影響で貸床が過剰な状況が続いており、住宅と比して高くなっている。

一般財団法人日本不動産研究所が半年に一度実施している「不動産投資家調査」によれば、J-REITが創設された2001年以降いわゆる不動産ファンドバブルのピークとなった2007年まで全てのアセットタイプにおいて一貫して下落傾向にあった。その原因としてはさまざまな理由が考えれられるが、CapRateを「リスクフリーレート+不動産のリスクプレミアム」と捕らえると、当時は賃料の上昇期待が高まった、または収益還元法の定着・不動産関連情報の整備によりマーケットの透明性が高まった等により、不動産マーケットに多額の資金が流入してリスクプレミアムの低下に繋がり、CapRateが低下したものと思われる。しかしながら、2007年の不動産ファンドバブルの崩壊、2008年のリーマンショック以降は急速に不動産マーケットへの資金流入は冷え込みCapRateの急激な上昇に繋がった。2011年以降は不動産マーケットの底打ち感からCapRateは下落傾向が継続し、現在に至っている。

【不動産】時価と大幅に乖離した金額での不動産売買

時価と大幅に乖離した低い金額で売買した場合、売主買主双方に想定外の税金が発生する場合があります。完全な第三者間の売買であれば問題ないのですが、親族間・同族会社間・同族会社関係者間での売買の場合は、時価で売買したものとみなされ、みなし譲渡課税や受贈益課税がなされることになります。

【不動産】空き家の固定資産税

住宅が建っている土地について、住宅1戸につきその底地である土地は200㎡は住宅用地として固定資産税額は6分の1となります。転居相続で空き家になった建物を取り壊しすると固定資産税が6倍になるため、そのまま空き家が放置される一つの要因となっています。

自民党の空き家対策促進議員が「空き屋対策の促進に関する特別措置法」http://miyaji-kazuaki.com/_userdata/131217-akiya-taisaku-hoan.pdf を国会に提出しました。市町村は空き家データをデータベース化し、解体修繕への勧告命令や行政代執行を可能とすることとなります。空き家を自主撤去すれば固定資産税は6分の1のままとできるという特例が、2015年度税制改正での議論になります。

アメリカのデトロイト市でも、自動車不況の影響で多数の空き家が存在していますが、倒壊の危険がある建物については、何と所有者不明のままでも、その建物を市が解体し更地にできる法律がある様です。中国ならまだしもアメリカでもその様な法律があることが驚きです。。しかしながら、その解体コストについては、デトロイト市が負担することとなるわけですが。。

日本において、人口減少社会が既にスタートしており、これから更に空き家問題が大きくなることは誰の目にも明らかです。国土交通省の「個人住宅の流通促進に関する検討会」が空き家個人住宅流通促進への最終報告を行いました。http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr3_000022.html

日本でもこれらの法律整備により、空き家対策が進むことが期待されますが、法整備よりももっと大切な話しとして、日本における建物価値の考え方を市民レベルで変えていくことが必要と考えます。日本は30年で建物価値はゼロになるという風に考えますが、欧米では、適切に管理され適時リニューアルされている建物については築が古くなっても、建物価値は上がっていくというマーケットとなっています。地震が多い日本において、欧米の感覚をそのまま持ってくることは難しいと思いますが、少しでもその感覚が根付けば、S造のペラペラの建物ばかりが建ち並ぶ町並みが少し良くなると思いますし、その様な建物はいざ空き家になった時でもその時代にあった使われ方をされていく様になると思います。

【不動産・資産税】相続税対策での収益不動産投資

ここ数年、相続税対策目的での収益不動産投資を検討されるクライアントが増加しています。団塊の世代が現役を引退され、次の世代に資産を効率的に継承することを検討される方が増えていることが原因だと思われます。現役時代から不動産投資に馴染みのある方であれば問題ないのですが、相続税対策が必要となって初めて不動産投資を検討される方については、慎重な物件選びとコンサルタント選びが必要となります。

ありえない話しだと思ってしまうのですが、中には不動産の本当の価値を判断できない税理士先生のコンサルティングにより相続税対策だけが目的になってしまい「時価5000万円の不動産を1億円で買うことにより相続税評価額を下げる」という様な相続税対策を行ってしまっている方も非常に残念な話しですが実際にいらっしゃいます。
不動産による相続税対策は財産価値を下げることが目的ではなく、時価ベースでの価値を保ちつつ、相続税評価だけを下げることが目的です。時価ベースでの価値と評価の違いを理解せず、時価ベースでの保有財産価値を積極的に下げてしまうのは相続税対策ではありません。

また別の失敗パターンは、時価で不動産を購入し相続税評価を下げることにも成功したものの、物件運営が稚拙で当初想定していた利回りを維持できず、資金繰りに窮するケースです。平成初期に銀行主導で進められた相続税対策を提案の切り口に進めたアパートローンなどがこれの典型になります。実際に資金繰りに窮して、競売されてしまう状況に至っているケースもよく目の当たりにします。私も元々銀行員でしたので、そのあたりはよくわかるのですが、銀行は融資するときに将来その物件が安定的に利回りを確保できるかどうか、その物件を買ってその方は本当にメリットがあるかなどを深く考えて融資を行うことはほとんど無いといっても過言ではないです。銀行内部の事情で、支店の融資目標を達成できるかどうかに関心の大部分が費やされています。ですので、銀行が勧めてくるから大丈夫とは限らないということを常に考えておかなければなりません。

不動産投資を検討される資産家の方に、数十万円の細かいお金には細かいのに、億を超えるお金には全く寛容な方が多くいらっしゃいます。数十万円までは普段よく目にする金額でその金額の大小がよくわかるのですが、億を超えるお金になると普段その大小を考えることが少ないため、意図せずおおざっぱになってしまうためです。そのため、弁護士、会計士、不動産鑑定士、不動産コンサルタントなどからコンサルティングを受ける数万円のコストをケチります。そんな数万円のコストを払わずに銀行やゼネコンが主催する相続税対策無料相談会に行かれます。銀行やゼネコンが無料で相談会で、相手が銀行だから、大手のゼネコンだから安心ということで、おおざっぱでお任せしてしまうため、主催者から見れば最高にいいお客さんになってしまいます。主催者としては、その相談会を開催するために専門家を講師として招いて話しをしてもらうのですが、その専門家のお客さんは誰だか考えたことがありますでしょうか。専門家のお客さんは、相談会に参加する方ではなく、銀行やゼネコンがお客さんなのです。専門家は日当をもらっても嘘は話はしませんが、物事の相手への伝え方には幅というものがあるのです。嘘ではなくても、本当ではないことは沢山世の中には存在します。

相続税対策や資産に対して何らかの対応が必要なのであれば、小さなお金には寛容に、大きなお金には厳密にが鉄則です!

saikousaiyousai

【不動産関連法令】民法改正

民法の大改正が、早ければ来年の通常国会に提出される見込みです。改正されれば120年ぶりの大改正となる見込みです。不動産に関連する改正が複数存在するので、個別にご紹介していきたいと思います。

まず第一回目は、建物賃貸借における原状回復義務についての改正です。
賃貸借建物退去時の貸主側の敷金返還債務に関連し、故意でつけた傷や、タバコでの焼け焦げなど賃借人の過失による損耗についての修繕費用については、敷金から控除できても、日照による畳や壁の色落ちやその他経年劣化による通常損耗などは貸主側の負担と民法に明文化されることとなります。現状でも、国土交通省のガイドラインや判例などが存在することから実務的には大幅な変更はないのですが、民法改正によってより明確な定めとなります。この規定に反する賃貸借契約を貸主借主間で締結することも可能ですが、個人賃借人との間での特約は消費者契約法により無効となります。(法人賃借人との契約ではその特約は有効です。)

【不動産】関西の直近収益不動産売買マーケット

リーマン・ショック後、RC築5年以内の大阪市内の賃貸マンションのCapが10%に上昇(売買価格下落)したのを底値に4年前から徐々にCapが低下(売買価格上昇)してきている関西の収益不動産の売買マーケットとなっており、ここ1年は買いニーズが豊富にあるものの、良質の売り物件が非常に少ない供給不足の状況となっていました。しかしながら2ヶ月程前から若干売り物件が増加傾向にあると感じています。買いニーズは引き続き旺盛な状況ですが、売り物件の売出し価格が非常に強気なのもあり成約のペースはまずまずというマーケットで、関西の不動産価格は、上昇局面から踊り場に入ったのではと想定されます。

GDP速報値が2期続けてマイナス成長となったニュースもありますが、消費税増税後という特殊な経済状況下で、企業の在庫調整の影響での一過性のマイナスという見方もあり、景気観への見方も強弱入り乱れている中、不動産価格の今後の推移についても注視が必要と考えています。

【不動産・資産税】相当の地代

「相当の地代」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。平成バブルの絶頂時に「相当の地代」を使った相続税対策が流行したのですが、バブル崩壊後、将来の土地の値上がりが見込めなくなったことにより、「相当の地代」を使った相続税対策はあまり聞かなくなってしまいました。

平成バブルの後も、ファンドバブル〜リーマンショック〜足下ではまた不動産価格が大幅に上昇していますが、あくまでも5ー10年スパンでの上下動という状況で、平成バブル当時とは様相が異なり、インフレを伴いながら中長期的に大きい不動産バブルが再来するとは常識的には考えられません。ということは、「相当の地代」による相続税対策はもう役目を終えたということになるのかというと、そうとは言えません。

例えば、一棟収益マンションの土地建物を保有していた父の相続時に、子供に土地を、母に建物を相続した場合を考えてみましょう。父の相続時点でその配偶者である母と子供は同居を前提と考えます(逆に同居を前提としない場合は効果が薄い)。母は建物に加え、配偶者の特例を利用して相続税がかからないギリギリまでの現預金を合わせて相続する形とします。その上で母は相続した建物を第三者(いわゆる賃貸マンションの借主)に賃貸し、子供が相続した土地を借りるための土地賃貸借契約を締結し地代を支払いする形とするのです。但し、土地賃貸借契約を締結時に権利金を子供に対して支払いしないと権利金相当額の贈与だと言われてしまいますので、地代を「相当の地代」である6%の水準に設定します。そうすると毎年多額の現金が地代として母から子供に移転していくこととなり、父の相続時に相続した現金が激減していくこととなり、二次相続対策に非常に有用となります。そんなに多額の現金を地代として母親から受け取ったら子供は所得税の負担が大きくなりそうですが、このケースは母と子供を同一生計としていますので、母の家賃収入は申告の必要がありますが、地代を子供に払う場合には、支払った地代を経費に入れれないかわりに子供の収入にもならないのです。これにより母の不動産所得が極端な赤字となれば、事業とはいえず税務否認されると思われますので注意が必要です。父の相続時に母は無税、その後、母から子供への現金の移動が所得税も贈与税も無税という形となり、現金を確実に子供に移転する有用な方法になり得るのです。

やはり資産を次の代に効率的に承継していく方法として資産としての不動産は非常に有用です。今後、色々なケースをブログに書いてみたいと考えております。